interview

西村 拓也

interview 効率的に面白いゲームを生み出せる環境をつくる パブリッシング事業
開発推進本部 技術統括部
クライアントグループ
Group Leader

西村 拓也

2007年コンシューマゲーム会社に新卒入社。以降、ゲーム業界のクライアントサイドエンジニアとして活躍。2018年には「UIフレームワークのエンジニアリング」に関する書籍を出版。2020年3月にEXNOAにジョイン。現在はパブリッシング事業 開発推進本部 技術統括部のクライアントグループリーダーを務める。

この記事の3つのポイント

  • オンラインゲーム開発における技術支援に関心のある方に向けた記事です。
  • 技術統括部にて「クライアントグループ」のグループリーダーとプロダクトオーナーを担う西村拓也から「ゲームの基盤システム開発」業務やEXNOAならではの経験について紹介します。
  • EXNOAの社風やスクラムを活用した独自の働き方、その働き方に適した人材についても聞きました。

技術的なサポートで「現在」と「未来」の事業成長に貢献する

ーEXNOAにおける技術統括部の役割を教えてください。
端的に言うと「ゲーム開発業務の効率を良くする部署」ですね。組織全体の技術力向上と生産性向上のための取り組み、部門を横断したシステムの設計・実装、コスト削減や売上増につながる技術的な貢献、各プロジェクトの開発支援などを担っています。

ーどのようなミッションのもと、それらの業務を遂行しているのでしょうか。
大きく二つあります。まず最優先のミッションは、直接的にタイトルのKPI向上に貢献していくことです。DMM GAMESプラットフォーム上には、自社スタジオ内で企画・開発するタイトル、外部の開発会社と協力して開発し当社がパブリッシングするタイトル、そしてサードパーティ企業に配信いただくタイトルがありますが、いずれにおいても、より多くのユーザーが快適に遊べるように努めています。

具体的には、自社スタジオやパートナー企業のゲーム開発現場から寄せられる技術的な課題を分析し対処します。大前提として、問題が起こらないゲーム=遊びやすいゲームであり、それを担保することが理想的なKPIの実現に繋がっていくと技術統括部では考えています。

ーもう一つのミッションについてもお願いします。
目先だけでなく、将来的な事業成長にも貢献していくことです。未来への投資として、ゲームの基盤システムをつくっています。将来の組織全体の技術的な問題を予測・分析し、その上でシステムを積み上げていきます。

例えば、ユーザーごとに使用するデバイスは様々です。中には5年以上デバイスを買い替えない人もいますが、ゲーム技術自体は進化し続けています。技術が変化してもできるだけ多くの人が遊べる下地をつくることも我々のミッションだと考えています。

ーその中で、西村さん率いる「クライアントグループ」の担当領域をご紹介ください。
オンラインゲームの技術は主に「クライアント」と「サーバー」に分けられます。ユーザーが手にとってスマートフォンで操作する方がクライアントです。その技術領域をクライアントグループが担っています。

そして、私はオンラインゲーム向け基盤システム開発のプロダクトオーナーを担当しています。

ーオンラインゲーム向け基盤システムのプロダクトオーナーというのは?
Unity(ユニティ)やCocosCreator(ココスクリエーター)というゲームエンジンをベースに基盤システムを開発し、リリース後の運用を見据え指揮しています。自社スタジオはもちろん、外部の開発会社へも展開できるようなゲームの基盤システム開発を先導するのが私の役割です。

クライアント領域に集中するため、新しいグループを設立

ー西村さんが入社した当初クライアントグループはなかったと伺っています。どのような経緯で立ち上がったグループなのでしょうか。
入社した当時は、自社スタジオでゲーム開発を行う「ゲーム開発本部」と、外部の開発会社との協力のもとパブリッシャーとしてゲームを展開する「ゲーム企画本部」があり、私は後者の所属でした。

基本的にエンジニアがいない部署でしたが、各ゲームの技術的なサポートをするエンジニアとして入社したんです。その後、ゲーム開発本部とゲーム企画本部が統合し、当社が開発にかかわる新規オンラインゲーム全てがサポートの対象になりました。

私自身、新卒から今までずっとクライアント領域の技術畑にいましたし、それが強みでもありました。さらに会社にとっても、クライアント領域を専門とする横断チームがあっても良いのではないかと考えました。そこで上記のタイミングで「内部開発のゲームでも、外部開発のゲームでも、クライアント領域に関する課題は私たちが丸っと対応しますよ」というクライアントグループが立ち上がりました。

ー西村さんが立ち上げたグループなんですね。
と、言ってもおかしくないかもしれません(笑)。

ークライアントグループの業務のやりがいについて、西村さんはどのように感じていますか?
人それぞれだと思いますが、私と同じようなプロダクトオーナーの役割を今後のキャリアとして目指しているメンバーには実際にプロダクトオーナーの業務を任せているため、そこにやりがいを見い出してくれているのではと思います。

また、技術的にチャレンジしなければいけないこと、未知なる経験が多い部署でもあります。例えば、EXNOAで今後力を入れていきたい領域である3D技術を習得することを楽しいと感じるメンバーもいると思います。

ー西村さん個人のやりがいも教えてください。
今起きている問題にどのように対処するかを考えることにやりがいを感じています。個人的にサッカーが好きなのですが、プロダクトオーナーの仕事はサッカーの監督のような役割だと思っています。部内やグループ内の戦略を立てたり、メンバーのポジション決めやコーチング・ティーチングをしたり、より効率的に業務が遂行できるような指針を考えるのが楽しいです。

ー逆に課題に感じている部分はありますか?
私個人として課題に感じているのは、一緒にゲーム開発に取り組む外部の開発会社への技術的なサポートがまだまだ行き届いていないところです。

DMM GAMESというプラットフォームが軸である当社は、数多くのパートナー企業と繋がりがありますし、何よりそれら企業に配信いただくゲームはプラットフォーム全体のサービス規模や成長に大きく関わってきます。だからこそもっと会社の外へ目を向けて、我々が積極的にサポートしていかなければと感じています。

新しく何かをつくるための環境が整っている

ー新卒から今までずっとゲーム業界で働かれていますが、EXNOAの働く環境や社風は他社と比較してどのような違いを感じていますか?
一つは、働き方が柔軟なところでしょうか。2020年3月以降、DMMグループではリモートワークを主体とした働き方にシフトしています。もちろん職種や業務上の要請によって出社するケースもあるものの、基本的には現在(※)も柔軟に働き方を選択しながら業務に取り組んでいます。エンジニアは特に自宅での執務環境を整えている人が多いと思うので、この点は魅力ではないでしょうか。

あとは新しく何かをつくるための環境が整っていて、個人的なチャレンジを企画する人間にはとても良い会社だと感じています。

ークライアントグループがその象徴ともいえますよね。
クライアントグループもですが、グループ内では「スクラム」という複雑なプロダクトを開発・提供・保守するためのフレームワークを採用しています。EXNOA入社前からスクラムによるオンラインゲームの開発及び運用を経験し、効率的に働けることを実感していたため、EXNOA入社後も自分のグループで同じような体制を構築しました。

事業の成長へ貢献することを念頭に置きつつ、社歴が浅くても自分が決めたことをやらせてくれる会社なので、とても働きやすさを感じています。また、スクラムを導入していることでより一層、メンバー一人ひとりが自分で考え率先して行動する環境ができました。ことクライアントグループにおいては、むしろ率先して行動せざるを得ない環境になっているかもしれません(笑)。

ースクラムを取り入れた環境下も踏まえ、適任な人材もしくは必要としている人材像はありますか?
スクラムは目標に対して効率的に向かうため、自分が得意ではない技術や経験していない技術に触れなければならない場面があります。そんな時にも果敢にチャレンジできる人が合っているのではないでしょうか。

あとは、自分で考えて行動しなければならない分、どうしても責任が伴ってきます。その責任を背負える人が必要であると感じています。

効率的に面白いゲームを生み出す環境を構築する

ー技術統括部の今後の展望を教えてください。
先ほども挙げた通り、協力してゲーム開発を行うパートナー企業に対しても、自社スタジオと同等もしくはそれ以上の技術的なサポートをしていくことが今後の展望です。そうすることで、効率的に面白いコンテンツを生み出し、当社およびパートナー企業のWIN-WINな事業成長に貢献していきたいと考えています。

また、ゲームの基盤システム開発も行っていますので、将来的にはDMM GAMESに関わる各社の基盤システムを、私たちが開発した基盤システムでリプレースできると嬉しいなと思っています。

一つの基盤システムをパートナー企業各社が共通して活用すれば、EXNOAでより手厚くサポートができるようになります。エンジニアのコストも下がり、安定したリリースにも繋がる。これからDMM GAMESでリリースするタイトルはすべて当社の基盤システムを使っている、という状態が理想です。

ー西村さん個人として今後チャレンジしていきたいことはありますか?
私自身、今はプロダクトオーナーとしてディレクションやマネジメントなど監督のようなポジションで仕事をしていますが、本当はプレイヤーが好きなんですよ(笑)。

現在のポジションは手持ちの技術でどう戦っていこうか、という考え方のもと業務を遂行しています。しかし、技術は常に発展し続けている。新しい技術に触れる機会をつくらなければ、いずれエンジニアとしての技量が下がっていくと感じています。今はその時間が圧倒的に足りていないので、機会をつくって市場の技術を追っていくことが目標ですね。


※インタビュー内容は、取材当時のものです。(2021年11月)

DMM GAMESでは、一緒に働ける新しい仲間を
募集しております。

Top Recruit 社員インタビュー 効率的に面白いゲームを生み出せる環境をつくる