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interview
平野竜希×石塚大介×今野貴之
平野竜希×石塚大介×今野貴之
●平野 竜希さん /(写真:左)
合同会社EXNOA ストアプラットフォーム開発部 兼 プレイヤープラットフォーム開発部
株式会社ボルテージへ新卒入社後、ソーシャルゲームの開発や戦略子会社の立ち上げに携わる。2017年に合同会社EXNOA(当時:株式会社DMM.comラボ)へ入社し、パブリッシング領域で約4年にわたり新規自社タイトルの開発・運用をリーダーとして牽引。プラットフォーム事業への異動後は、エンジニアリングマネージャーを経て、現在は部長として「DMM GAMES STORE」および「DMM GAMES PLAYER」の開発を統括。
●石塚 大介さん /(写真:右)
合同会社EXNOA ストアプラットフォーム開発部 ストアグループ
新卒でゲーム会社に入社、エンジニア、プランナー、PM、ディレクターとしてゲーム開発に携わる。2025年に合同会社EXNOAへ入社し、SDKチームへ所属、デベロッパー様に導入いただくSDKの開発・保守を担当。ストアプラットフォーム開発部に異動後、チームリーダーとしてストアアプリの開発や運営を担当している。
●今野 貴之さん /(写真:中央)
合同会社EXNOA ストアプラットフォーム開発部 ストアグループ
新卒でSIerに入社、組込み、Windowsアプリ、ゲーム開発、電子書籍開発に携わる。2015年に合同会社EXNOA(当時:株式会社DMM.comラボ)へ入社し、一貫してストアアプリの開発や運営を担当している。
この記事のポイント
- アプリ「DMM GAMES STORE」のiOS版アプリ「GAMES STORE」が2026年8月31日にリリースされました。
業界内でも事例が少ない「iOSサイドロード(独自ストアでのアプリ配信)」への対応と、それに伴うFlutterでのアプリフルリプレイスという一大プロジェクト。
前例のない未知の領域に対し、精鋭チームはどのように立ち向かい、リリースを果たしたのか。プロジェクトを牽引したストアプラットフォーム開発部の方々に技術的挑戦の舞台裏とチームの強みについて話を聞きました。
※インタビュー内容は取材当時(2026年9月)のものです。
開発主導で動き出した「iOSサイドロード解禁」への素早いアプローチ
──EXNOAが、「iOS向けアプリストア開発」という最先端領域に挑もうと思われた、プロジェクト立ち上げの背景を教えてください。
平野竜希(以下、平野)
国内比率で高いシェアを持つiOSユーザーへのアプローチは長年の課題でした。その中でEUにおけるiOSでのサイドロード機能解禁の動向をいち早くキャッチし、将来的な日本での解禁を見越して、経営層へ自らサービス展開の提案を行いました。
しかし、長年運用されてきた既存AndroidストアアプリのJavaで構築されたレガシーなシステムは、新たに必要になるiOSアプリとの並行運用や、今後の爆発的な成長においてボトルネックになることが明白でもありました。
そこで初手として決断したのが、iOSへのクロスプラットフォーム対応を見据えたFlutterへのフルリプレイスです。
── プロジェクトの立ち上げ当初、既存アプリをFlutterで作り直すという大きなミッションに対し、開発チームの熱量や雰囲気はどうでしたか?
今野貴之(以下、今野)
10年以上運用された既存アプリは仕様の意図が見えにくくなっている部分もありました。そのため単なる技術刷新だけでなく、仕様や実装の棚卸しをする絶好の機会と前向きに捉えるムードが強かったですね。当初は全員がFlutter未経験でしたが、有識者の参画と積極的な知見共有により、チームの知識は一気に深まりました。
一方で、当初はメンバー全員がFlutterを業務で使った経験がなく、どうやって知識を身につけ、技術的なリスクを抑えながら進めるかが大きなテーマでした。
その後、Flutterの経験が豊富なメンバーがジョインし、実装の知見に加えて、Flutter界隈のトレンドや有益な情報を積極的に共有してくれました。
それによってチーム全体の知識も一気に深まり、共有された知見を設計や実装へ反映できるようになりました。
未知の技術への不安はありましたが、それ以上に、長年運用してきたアプリをよりよい形に作り直せることへの期待が大きかったです。
石塚大介(以下、石塚)
途中合流ではありますが、既存のAndroid版アップデートを止めずに新しい仕様を追加しながら、全仕様の洗い直しや新しい開発環境となるFlutterでの研究開発を開発チーム全体で実施していたことを知り、一丸となってこのプロジェクトを成功させようという姿勢が現れているのを感じたことを覚えています。
新しいチャレンジに対しても前向きに進められる、頼もしい開発チームだと思います。
前例なき仕様の解析。チームの垣根を超えたフラットな議論で乗り越える
──高い技術力を持つメンバーが揃っているからこそ、技術選定や設計のフェーズで熱い議論が交わされたと思います。EXNOAの開発チームの「フラットな組織」を象徴するようなエピソードはありますか?
石塚
国内のiOSサイドロード仕様(MarketplaceKit)は、先行していたEUの仕様と異なる部分が多く、社内はおろか世界的に見ても参考にできる前例やナレッジがほぼ存在しない状態でした。
この影響は「DMM GAMES STORE」アプリだけでなく、タイトルを提供していただくデベロッパー様に利用いただくSDKや、DMM GAMESプラットフォームの基盤に及ぶ巨大なものでした。
そのため多くの部署と連携して設計や開発を進めていくことになりましたが、社内外注のような形にはならず、お互いの部署の責任を果たしながらあるべき姿を議論して開発を進めることができました。
今野
MarketplaceKitを通じて配信するゲームとマーケットプレイス側を連携させる事例はさらに限られていたので、ゲームとの連携方法や配信の仕組みについて、チームの垣根を越えて検討しました。
職責や経験年数にとらわれず、それぞれが最善だと考える案を持ち寄り、議論やPoCを通じて実現可能性を確かめながら判断していきました。
こうした進め方に、私たちのフラットさが表れていたと思います。
「挑戦を最大化する」マネジメントと、テックリードが描く次なる未来
──マネジメント層として、エンジニアが新しい技術(モダンなスキルスタック)に挑戦しやすい環境を作るために、どのような支援や工夫をしていますか?
平野
新しい技術でどんなビジネス効果を生み出せるのか、またはビジネス効果を生み出すためにどんな新しい技術を取り入れられるのか?チームから上がってくるものや自らが触れるものについて、この双方向についていつも考えています。
そして、中長期的な展望や計画をセットで組み立てることで、その挑戦に見合う効果を明確かつ最大化させます。今回で言うとiOSのサービス展開がそれに当たります。
「挑戦」と合わせてしっかりと効果やその価値を示すことを強く意識していますね。
自分自身もエンジニアとして最新技術のキャッチアップや学習をすることも、それらの解像度を引き上げる最短経路ですから、積極的に取り組んでいます。
──今回構築したFlutterの基盤を使って、チームとして次にどんな技術的チャレンジをしていきたいですか?
平野
まずアプリをモダン化したことによって、AIによる開発は更に効率的になると考えます。例えば、Flutterが採用している「宣言的UI」はAIコーディングとの高い親和性があると感じていて、UIコードの自動生成精度の向上なども期待できます。
そして、FlutterはGoogle製のフレームワークでAndroidの進化と連動しているので、新たなOS機能を使ったサービスも、迅速に提供していきたいですね。マルチプラットフォーム開発が可能な点を活かしてDMM GAMESの他プロダクトへの技術展開なども可能かなと。
石塚
プラットフォーム開発ではAI活用を推進しているのでAI駆動開発などの手法を積極的に取り入れていきたいです。
開発の効率化だけでなく、上流から下流まで一気通貫でAIを活用して、お客様やデベロッパー様にとって良い機能をより早くお届けできるようにしたいですね。
今野
現状では実装部分で重点的にAIを取り入れていますが、これの適用範囲を広げることをやっていきたいです。
例えばUIのパーツ周りですが、平野が話しているように宣言型UIの特徴はUIパーツがコード化する点においてAIとの親和性が非常に高いと感じています。
自動化はもちろん今までコーディングを行ってきていないデザイナーが生成AIを使って、我々エンジニアがそのまま組み込めるUIを作成できる環境の整備を行っていければと考えています。
膨大なアセットと未知の課題が交差する。だからこそ面白い、EXNOAでのマネジメント・技術探求
──テックリードとしてジョインする方にとって、今のEXNOAの開発チームはどのような面白さがあると思いますか?
石塚
10年以上続くプラットフォームを保守しながら、iOS展開やAI駆動開発のような新しい挑戦ができる。前例のない課題を新しい手法で切り開く経験は、エンジニアにとって非常に刺激的な経験になるのではないでしょうか。
今野
長年の運用による技術的負債の改善と、新技術への挑戦。この両方が混在するなかで、優先順位や進め方を考え、チームで攻略していけることがテックリードとしての醍醐味だと思います。
──EXNOAというフラットで様々な挑戦ができる環境で、共に成長していきたい方へメッセージをお願いします。
平野
どんな挑戦でも、誰の挑戦でも、自分ごとに捉えて全員で向き合っていく。自らのリーダーシップを存分に発揮して新たな価値を生み出し、この国内最大級のマルチデバイスゲームプラットフォームをさらに魅力的なものにしていきましょう。この想いに共感いただける方とお会いできることを楽しみにしています。